「レ・トロワ・ショコラ」の甘くおいしいサプライズ

 

チョコレートには不思議な魅力。

ころんと美しいボンボンショコラ。

 

セブンルールという番組を見ていて、心惹かれたチョコレート屋さんがあった。

Les trois chocolatsレ・トロワ・ショコラ

お店はパリにある。オーナーシェフの佐野恵美子さんの作るチョコレートが綺麗で、素敵で。

パスポートを持っていないし、予定はなかったけど、いつかここのチョコレートを食べる。そう思って、録画したセブンルールはダビングして残していた。放送があったのは今年の2月のこと。

そのチョコレートを食べるには、パリへ行くか、博多にある「チョコレートショップ」という佐野恵美子さんのお父様のお店へ行くか、福岡にある「ソラリアプラザ」の館内の店舗に行くかの3つの選択肢。

 

そして思いがけず、今回チャンスがやってきた。

新宿伊勢丹に、「レ・トロワ・ショコラ」がやって来るという。しかも、佐野恵美子さんがいらっしゃる。出店するのは6日間。それを知って、行くしかない!とすぐに決めた。移動距離なんてなんのその。そこにチョコレートがあるのだから!行かなかったら後悔する。

ついにその日になった。何度も見ているはずの新宿の景色は、休日で歩行者天国になっていて、それが非日常を増幅させていた。道の真ん中に立ち記念写真を撮っている人や、前を歩く団体さんも、海外のお客さんを多く見かける。伊勢丹がどこにあるかをわかっていなかったから、上を見上げながら歩く。目的地に一直線に歩くのと違って、あんな看板があったんだ、マルイはここにあったんだと新発見がいろいろあった。

 

たどり着いた伊勢丹。重厚感のある外観は見たことがあったけど、入口のドアは銅の飾りで形作られていて、そこを通ればしゃんと背筋を伸ばしてしまう空気に包まれる。

伊勢丹に入った瞬間、両サイドに広がるアクセサリーのディスプレー。圧巻だった。指輪やネックレス、品良く立っている販売員のお姉さん。沢山のお客様。

そこを通り抜けると、眩い証明にカラフルなパレットが並んだコスメフロア。また雰囲気が変わり、煌びやかな世界。すれ違う制服の販売員のお姉さんたちはバッチリメイクで、簡単には声をかけられなさそうなオーラ。

ここへ来た目的は「レ・トロワ・ショコラ」1択。すすーっと通り過ぎて、B1階に降りるためにエスカレーターに乗ろうとすると、前を通って行ったのは紙袋をいくつも持ったマダム。お隣には専属の伊勢丹の販売員さんが付き添い、紙袋を持っていて、ショッピングのお手伝いをしていた。これがリッチな人にだけ開かれる、おもてなしの扉…と異次元の世界に戦々恐々とした。

 

辺りを見渡して、多分こっちと歩き進めると「レ・トロワ・ショコラ」の“3”のロゴが視界に入った。

あった!!といそいそと近づき、ディスプレーをのぞき込む。夢にまで見たチョコレートが、ボックスの中に綺麗に収まるボンボンショコラがそこにあった。

1日50個の美しいチョコレートケーキ「パリの石畳」もまだ並んでいて、ほっと胸をなでおろした。

オーナーシェフの佐野恵美子さんがいらっしゃるのも見えて、ほかのお客様とお話しされている様子だったので、しばし何を買おうかと眺める時間を楽しむ。ハートのボンボンショコラもピカピカツヤツヤで可愛いし、カカオの形をしている、チョコレートの食べ比べができるセットも魅力的。クルミなどがふんだんに乗ったタブレット型のチョコレートも、バリバリと食べればしあわせな気分になれそう。

すると、お話しを終えた佐野恵美子さんがこちらへとやって来て、初めましてとご挨拶をできた。「セブンルールを見て来ました」と伝えることができて嬉しかった。チョコレートについてわかりやすく教えてもらって、贅沢すぎる時間だ…と感動しきりだった。

 

話の流れか雰囲気なのか、「パティシエさんですか?」と最初に聞かれて、小学生の頃に抱いた夢がパティシエだった自分にとっては胸が高鳴る嬉しい言葉だった。

いえいえと答えると、チョコレートがお好き?と聞かれて、はい!と返すと「私もチョコレートが大好きです」という言葉が返ってきて、その一言にガシッと心を掴まれた。シンプルな好きが通じる世界。

ボンボンショコラはパリの本店から空輸されているという話を聞いて、飛行機で空を飛んではるばるやってきたチョコレートを思い浮かべた。

 

これ。と決めていた、ボンボンショコラが9粒入ったボックスとパリの石畳をひとつずつ。

背伸びしたお買い物だけど、それでも食べたい。

赤と緑のチェックがアイデンティティ伊勢丹の紙袋に、丁寧に包装されたケーキと、その上にチョコレートボックス。佐野恵美子さん直々に袋を手渡していただいて、夢がひとつ叶った瞬間だった。

 

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売り場をあとにして、何度も袋の中をのぞく。青い缶に3のロゴが可愛くて、にこにこしてしまう。

3という数字が好き。形も、1:1:1で並んだ時の感じも、3月はアクアマリンで水色のイメージなところも。

 

本当に崩れやすくデリケートなチョコレートケーキを慎重に慎重に運んで、その日は寄り道をせずに帰った。

そーっと箱を開けてケーキを確認すると、綺麗なまま、無事だった。いつまでもそのままで置いておけるなら透明なケースに入れて飾っておきたいほど、見目麗しいとはこのことだ…と思った。

ベストな状態でいただくために、お皿にケーキをのせて紅茶を淹れた。買ってきたばかりのケーキを、ミルクティーと一緒におやつの時間にした。

 

「パリの石畳」

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フォークの通り方で、ケーキがどれだけ柔らかいかがわかった。

上から圧が掛かればぺしゃんとなってしまう繊細さ。フォークで刺すというより、すくい上げる感じで、一口食べるとふわんと香るチョコレート。おいしい…!!

周りはココアパウダーなのかなと思っていたけどココアの苦味はなくて、スポンジの存在感もチョコレートを消さず、口の中で全部がひとつに。

ばらばらに目立つものがなくて、チョコレートが主役。だけどちゃんとケーキ。ガトーショコラでもチョコレートムースでもない、この感動、伝えるのが難しい。唯一無二で、とってもおいしい。人生最大のご褒美の日には、このケーキが食べたい。

 

 

そしてボンボンショコラ。

 

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 一粒一粒のデザインの美しさと、箱の内側のビビットピンクが可愛くて、アートだ…と見入った。

左上から、ハチミツしょうが、コーヒークリーム、ミントティー、ヘーゼルナッツのプラリネ、ゴマのプラリネ、チャイ、抹茶、きなこ、ホットワイン

冷蔵庫に入れた保存した場合は、食べる1時間前に冷蔵庫から出しておくと、中のガナッシュが適温になり、おいしく食べられると佐野恵美子さんに教えてもらった。

 

3がプリントされているロゴ。すごく好きなデザインで、食べる順番を迷いながらも最後のほうまでとっておいた。

 

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自分はチョコレートに詳しいわけではないけれど、ただひたすらにチョコレートが持つその世界観と、キュルッところんとした固形感がたまらなく好き。

その関心が加速したのは、今年のバレンタインに自分なりに企画したチョコレート満喫計画があってから。

失恋ショコラティエでバレンタインが楽しくなった - 宛名のないファンレター

2月というのは沢山の人の関心がチョコレートに向けて注がれる季節で、きっとどこのショコラサロンに行っても混んでいるだろうなと思って、それなら今度はバレンタインではない季節に、チョコレートについて考えてみたいと思っていた。こっそり抜け駆けの楽しさを期待して。

伊勢丹から帰る電車の中で、失恋ショコラティエのサントラをひたすら聴いた。チョコレートにはやっぱり、ドキドキを起こす不思議な作用がある。サントラを聴いていたからだけではなくて、チョコレートを買ったということのワクワク感は、他の何を買う時とも違う。恋の作用に近いドキドキで、誰にも言わない秘密を持ち帰るような気分だった。

 

これ好き!と特に思った味は、ヘーゼルナッツのプラリネ、ゴマのプラリネ、きなこ。

きなこが個人的No.1で、大好きだった。口あたりが、なめらかだけど食感もあって、甘さ塩味も最高のバランス。ベストマッチってこういうことなんだ…!と感動だった。

きなこ味のチョコレートというと、ほとんどの場合ホワイトチョコと合わせていて、その“ホワイト感”が味に出ているものが苦手だった。きなこの味わいが好きなのに、それではホワイトが勝ってしまう。このボンボンショコラは違った。チョコレートのおいしさと、きなこの香ばしさがどちらも味に出ていた。

ゴマのプラリネも、一口目のサプライズがすごかった。ゴマ!!だけどチョコレートと融合されている。炒られたゴマの香ばしさが味わえて、つぶつぶしているけどチョコレートと合わさっておいしいペーストになっていた。ゴマってこんなにおいしかったんだと発見だった。

ボックスを開けて、最初に食べたのがヘーゼルナッツのプラリネ。ナッツの風味とソルトのしょっぱさが良くて、おいしいー…とじっくり食べた。4分割で、4口。

 

味を忘れたくなくて、ひとつひとつの感想をノートに書いた。

ドリンクとしてのチャイは飲めないけど、ここのチョコレートとして食べるチャイはおいしかった。シナモンも様々な風味もあるのだけど、きつすぎなくて、おいしく食べられた。

どの味も食べられないと思うものがなくて、ボンボンショコラの種類一覧を見ながら、これが入っているといいなと思ったきなこが入っていたことも嬉しかったし、自分でひとつずつ選んでいたら食べなかったかもしれない味に挑戦できたことも楽しかった。

種類一覧には#23までの味があって、みそ、ほうじ茶、オレンジの花も食べてみたいなと思った。

 

 

新宿伊勢丹での出店は9月25日、今日まで。

そして同日、9月25日から、10月1日までは日本橋高島屋S.C.本館8階での催事に出店とのこと。高島屋のほうではショコラを使ったソフトクリームが食べられるそうで、それもすごく心惹かれる…。佐野恵美子さんは高島屋のほうでソフトクリームを1つずつ作ると聞いて、ますます行きたくなってしまう。

 

心惹かれるままに買いに来てよかったと、 その甘さをしみじみと味わった。

丁寧で情熱的な「レ・トロワ・ショコラ」のチョコレート。またどこかで、もしかするとパリで?その憧れを胸に、甘い一粒を口にする日を夢にみる。

 

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