プリン

 

朝起きると、喉が痛かった。

扁桃腺が腫れているのがわかるくらいにぱんぱんで、唾を飲むのも痛い。カラオケで6時間歌った後のような声だった。エアコンのせいかなとも思ったけど、身体が疲れている証拠かもしれなかった。

あまり無理はしないでおこうと出掛けるのはお昼からにして、お昼ごはんに塩焼きそばを食べてから、中崎町のおいでやす商店街に行った。

 

何も考えずに歩いていると、プリン屋さんが目に入った。最近、ジャニ勉のエイトブンノニで渋谷すばるさんと横山裕さんが二人で歩いたのが、関テレから中崎町、梅田界隈。

図らずも、住んでみると決めた場所と同じだった。大阪へ出発する前にロケがあったことを知って、放送は見られていなかったけど、これから住む場所を二人が歩いたというだけで嬉しかった。渋谷すばるさんにとってのジャニ勉ラストのロケが中崎町だったことも、堪らなく嬉しかった。

 

 

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ここのプリン屋さんに渋谷すばるさんと横山裕さんが立ち寄ったんだなーと思いながら、何度か通り過ぎていたものの、いつ寄るかは決めていなかった。

今日はなんだか気になって、プリンを食べたい気分。

お隣は「大阪 浪花屋」というかき氷屋さんがあって、丸山隆平さんと錦戸亮さんが来たのはこのお店。東京の浅草「浪花屋」からのれん分けをしたお店で、休日は行列になる。エイトブンノニのロケの場所が2つ並んでいるのがなんかいい。

かき氷は食べきる自信がなくて、プリンを買って帰ろうかなとお店に近づくと、楽しそうな話し声が聞こえた。エイターさんだ…!ライブ期間中ではない大阪は、わかりやすくエイターさんに会うことはなくて、やっと仲間に会えた気がして、浮き立つ気持ち。ついついお店の中へと引き込まれていった。

こんにちはと挨拶をして、「持ち帰りで島プリン1つお願いします」と注文をした。待っている間席に座らせてもらった。

 

話題はやっぱり関ジャニ∞で、店長さんも気さくに話しかけてくれて、一緒になったエイターさんともお話しをした。

まだ話していたいけど持ち帰りにしちゃったなぁと思っていたら、「せっかくだし、食べていかはりますか?」と店長さんが聞いてくれた。お言葉に甘えて食べて行くことに。その場の流れで、予定を変えていけるのっていいなと思った。

大阪にいる間はひとり行動。滞在8日目になってようやく、人と話す時間を持てた気がしてほっとした。ここにしばらく住んでいることも話せて、自分が大阪に来たことを知っていてくれる人がいるというのが嬉しかった。

明日はMステ、明後日はMUSIC DAYと続くタイミングに、こうやって同じ空気でいられていることもじんわり心に染み渡った。

 

 

島プリンのお店「HAKATA」

中崎町の駅を改札出て左に曲がって、左手の階段登ってすぐの商店街。少し歩いて左手にお店はある。

沖縄のさとうきびから作られたプリン。

 

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四角いプリン。

お皿に乗っかったプリンをスプーンで食べるのって、カップに入ったプリンを食べるよりも特別な感じ。

きび砂糖かきな粉をお好みでかける。きな粉が好きだから、プリンにきな粉…!と新たなときめきを見つけた。喉の痛い自分には、つるんと通る甘さもありがたかった。

 

こういう時間を過ごしたかったんだなとしみじみ思いながら、ひと時に心安らいだ。

お店の外でエイターさんと写真を撮った。一緒に写りましょうと言ってもらったことが嬉しかった。自分は、大阪の地に誰も知らずにやって来て、誰も知らずに帰って行く人ではなくなったんだなと思った。ここへ来たのは私のなかでの決断だけど、誰かに知っていてほしかったのだと思う。私がここに来たことについて。

今日プリンを食べようと思いついて、この時間に通りがかってよかった。

 

プリン屋さんを出て、エイターさんと挨拶をして、帰りに同じ商店街の「ブルンネン」というパン屋さんで明日の朝のパンを買った。クロワッサンと、きな粉のモチモチパン。

大阪も中崎町も、平日のライブ期間中とも違った普段の雰囲気を知られたことが何よりうれしかった。

 

今日はそれくらいで帰宅することに。喉の痛みだけで治るかなと思っていたけど、部屋に戻ると熱が出はじめた。体温計を持って来ていなくて何度かは分からないけど、見たら見たで動けなくなる気がした。

ひたすら安静。夜ごはんは尚更食べる気になれず、メインとサラダを買ったのにサラダしか食べなかった。

体を冷やすために、サクレのレモンアイスは後で食べた。

 

大阪へ来て、ひとりで暮らして、

あちこち好きな所に出掛けることに楽しさを感じてはいたけど、緊張は全力フルスロットルなままだった。

気を張っていたし、部屋には1人なのに警戒心の固まりで、シャー!っと全身毛を逆立ていてる猫のごとく、怯えていた。それくらいにいっぱいいっぱいだった。3日目の時点で、夜になって今ならまだ新幹線で帰れるだろうかと考えたくらいに。

5日が過ぎても、あと半分かーではなくて、まだ半分も…と思ってしまっていた。10日間をやり遂げることに、とにかく一生懸命。

楽しいだけの旅行、ではない。自分に必要な挑戦だった。

 

体調を崩したのは想定外だったけど、抗っても仕方ないと、ここからの時間は欲張らず頑張らないことにした。

遠い地でひとり熱を出した頭で考えると、大きな不安に飲まれそうで、考えるのもやめた。なすがまま、どうにでもなれーと布団の上でただダラダラした。

 

明日の朝起きて喉の痛みが消えているといいなとぼんやり思いながら、プリンのことや会えた人のことを頭に浮かべて、眠りについた。