ライブDVD「ジャム」-このDVDの魅力を伝えるとしたら

 

関ジャニ∞のライブDVD「関ジャニ’s エイターテインメント ジャム」が、ついに届いた。

再生した瞬間から、片時も目が離せず微動だにできない。どの一瞬も一枚の写真のように美しく、ライブの空間で発生した、会場全体から巻き起こる盛り上がりを可視化した素晴らしいライブDVDになっていた。

 

目の前にあるのに待ちきれない気持ちで箱を開けると、ブックレット、そして冊子のようなものが出てきた。ジャムの瓶の柄になっているその冊子を、なんだろうと思いながら開いてみると、そこには歌詞が書かれていた。

もしかしてと思い大きく開いてみると、そこに載っているのは今回のライブツアー「ジャム」のセットリスト順の曲の歌詞と、作詞・作曲のクレジットだった。すごい、と思った。CDではなくて、ライブDVDなのに、歌詞が全部載っている。アルバムを持っていても、シングルを持っていても、その時のライブで歌われた曲の全部を一覧にして見る機会はほとんどない。

CDよりも先に、DVDから触れる人もいる可能性を考えているのかもしれないし、そうでなくても耳で聴くだけではなく、歌詞を目で、文字として捉えることは新たな楽しみ方になる。

蔦谷好位置さんや岡崎体育さんやレキシの池田貴史さんのお名前と一緒に、作詞・作曲 錦戸亮や、作詞・安田章大、作詞・渋谷すばると記載されていることに感銘を受ける。特別だ、ということではなく、普通なこととしてそれが実現しているということにわくわくした。

 

ライブ開始のオープニング映像を見ていて、ああそうだった、この映像に心踊って、湧き起こる手拍子にテンション上がっていったんだとあの時の空気が鮮明に蘇った。

今回のDVDでは、オープニング映像をDVD画面いっぱいにして映像単体で見せているところがいいと感じた。会場からモニターを映す方法ではなくて、DVDを見ている人のためのオープニングをしっかりと作って、でも歓声はそのまま聞こえてくることで、高揚感は会場に居るのと変わらず感じ取ることができる。

関ジャニ∞に興味があるけど、何見たらいい?という質問には、ハッキリ「ジャム」と答えると思う。誰も彼もにおすすめしたい。それほど、今の関ジャニ∞のエンターテイメントが、しっかりと映像になっている。

 

臨場感を伝えるカメラ表現が本当に素晴らしくて、緻密に組み上げられていることに感動する。瞬きすら惜しい。DVDの発売はタイミングもあるだろうけど、諸々を考えてもこれは簡単には作れないと思う。カメラさんも、スイッチングも、編集も、それぞれのお仕事に手間が掛かっていると感じた。 

宙を通るカメラを多くは使わずに、バンドの時にはメンバーが立っている位置、最も近いゼロ距離で足元にカメラを配置して見上げるような角度で映していて、それはエフェクター目線という新たな境地のときめきが生まれた瞬間だった。

 

「Tokyoholic」では、渋谷すばるさんの“眠そうな目擦ってお疲れ様です”がしっかり映っている!!と嬉しかった。元気印ー!の丸山隆平さんも変わらず狂気入り混じっていて、いえーい!の編集点を自分で作った丸山さんは最高。

そしてバンドシーンでの村上さんの立ち位置は、ライブに来るのが初めてであってもノリ方がわかるようにエスコートしてくれる、大切な立ち位置だとあらためて感じた。強要ではなく、さり気なく、手の動きやリズムの取り方を視覚的に教えてくれる。

 

メンバーの顔を見せるには、ライトは明るく照らすのが効果的だと思っていたけれど、「夢への帰り道」では、照明を少し落として夕暮れの空気を作っていたところに魅力を感じた。回数を重ねて変化するものがあるのは楽しいと思うけれど、東京公演を観ていて、しっとり聴き入る曲でアドリブが入って空気がフワッとしてしまうのは惜しい気がした。DVDになった福岡公演の「夢への帰り道」はちゃんと歌ってくれていてよかった。

綺麗な映像はMVのようでいて、でもしっかりとライブDVD。

その理由は、お客さんがその空間に居ることで完成されている景色だからだと思う。ライブでこんなに楽しく映えるんだと感じたのは「S.E.V.E.N転び E.I.G.H.T起き」だった。DVDでもその盛り上がりが表現されていて、曲に合わせて動く印象的だったステージモニターのカラフルな映像も映っていたのが嬉しかった。

 

 

ライブ構成が前半バンド、後半ダンスの2部構成になったことで、DVDになった時にDisc1とDisc2でテイストが別れたことはプラスに働いていると感じた。

ブルーレイで通しで見ることで完成するものもあるけれど、メトロックや関ジャム、クロニクルで興味があるなと感じた人や、バンドが好きな人、男性などが見るのに、入りやすい入り口。そして見ていたらきっと、その一面だけでなくバンドから入ればアイドルに、アイドルからならバンドの面を覗きたくなる。

ちょっとDVDを見てみたいという人に、1枚ずつ貸すのもありかもしれない。

 

 

Disc2では、「JAM LADY」から始まりノンストップで駆け抜けるダンスナンバー。

ライブで見ていた時も、この曲の後にまだ踊るの?!倒れてしまうのではと思うほど、しゃかりきに踊る関ジャニ∞に釘付けだった。渋谷すばるさんが全力で踊っているのを見るのが好きだ。

「罪と夏」が始まった瞬間の7つの丸いライトが、7人のシルエットを丸のなかにくっきりと映し出していて、片手を挙げたそのポーズが最高に様になっていて感動した。DVDで見て初めて、こんなに綺麗にライトが当たっていたことに気がついた。

「DO NA I」で足元のステップをここぞというタイミングで映し込んでいるところにもガシッと心掴まれて、黒と白の2トーンの革靴が堪らない。ダンスの振りの見所が伝わりやすいカット割りにもなっていて、クルリクルリと向きを変える動きや、横並びでグッと右手でグーサインを作るところなど、歌番組で見るのとも違った、ステージだからこその振りの見え方があった。

 

存分に盛り込まれた「Answer」での上からのカメラアングルは、ライブDVDでだからこそ味わえる魅力でもあると思う。

「Answer」だけで見ると、あらためて伝わるものがあった。3人がそれぞれに真摯に、ジャニーズにいることを今も選んでいる、その覚悟が見える眼差しだと感じた。

変わらないもの一つ それだけで明日は変わる

横山裕さんの歌うこの歌詞が浮かび上がるように印象に残った。何かを変えるということは今を変えることとは限らず、 変わらないものを持ち続けることでも変化を起こせるのだと思える、好きな歌詞になった。

 

「えげつない」を聴いた時から、“手ギュッ 壁ドン 投げキッス”の歌詞の時には、誰かしら言葉に合わせてアクションをしてくれないだろうかと期待していた。それがここへきて、福岡公演でついに大倉忠義さんが“投げキッス”に合わせてちゅっと優雅に投げてくれていたと知って、そう!それ!と立ち上がりたくなった。

いつか、丸山さんが“手ギュッ 壁ドン 投げキッス”をテンポよくこなしていくところを見たい。

 

「今」のエンディング後に、ひとりひとり順にカメラでアップに映していく演出は、いま見ても楽しかったなと思う。

テンション振り切る人、照れる人、変わらぬテンションの人、それぞれで。閉じかかる扉の奥でキッスとウインクをする丸山さんがキュートすぎて、そのキュートさはDVDになろうと変わらなかった。

アンコールになり浴衣で出てきて、「純情恋花火」で“好きなんです”と歌う時の丸山さんの表情が強烈にかっこよかった。

 

最後の最後に、エンディングのオーケストラにのせて「ありがとう」で熱唱する錦戸さんに、なんだかグッときた。

それぞれに挨拶をしながらはけていくなかで、「あなたたちが居たから!」とちょっとふざけながら言う大倉さんに被せるように、渋谷さんが「先に俺たち!」と言っていて、そのやり取りに笑ってしまったけど、

本当にそうで、お客さんがこんなにいっぱいになりますよなんてどこにも保証のない頃に、スタートラインに立って、ここまで彼らが歩いて来てくれたから、こうしていま自分は関ジャニ∞を知ることができていて、

続けて来てくれなかったら、このへんでええやろって彼らがもし諦めてしまっていたら、知ることの遅かった自分はこんなふうに楽しめていない。

続けることの意味って?誰が見てくれているだろう?自分の立つ日常でも、そう自問する時があるとしても、こういうことなのかもしれないと、思えた。

 

関ジャニ∞、そして関わる全てのスタッフさんが創り出した、ライブ「ジャム」の魅力。

実際にそのステージを創る方々の凄さとライブの魅力は、言葉だけでは表現しきることがないけれど、ライブDVD「ジャム」についての、こんなに楽しかったです。おすすめです。という思いを伝えたい。