映画「泥棒役者」公開直前イベント

 

映画の公開日まで、あと15日。

応募してみないことには始まらない…と思い切って応募した、丸山隆平さん初主演の映画「泥棒役者」の公開直前イベントが、キャンセル繰り上げでまさかの当選になり、参加してくることができました。

明日!行けますよ!と言われても実感はなかなか湧かないもので、当選メールを見てもしばらく固まったままだった。もう二度とないかもしれない経験を、文章にできるよう頑張りたい。

 

映画についてのネタバレはしないつもりでいますが、ニュアンスも含め完全に知らない状態で見たいという方はお気をつけください。

 

 

11月2日、TOHOシネマズ日本橋でのイベント。

日本橋の辺りに降り立つこと自体が初めてで、都会的なビル群に圧倒された。歩いて行くと、映画館が近づくにつれ更に日本の要素が満載なお店や建物が目に入り、東京オリンピックのロゴが並んでいたりして、東京感がすごいな…!と日本橋の洗練された雰囲気に完全に飲まれていった。それでもなんとかたどり着いたTOHOシネマズ日本橋

 

会場には期待と緊張がそれぞれ入り混じった空気があり、自分の緊張もどんどんと増すばかり。

集合して座席券を受け取ったあと、開場時間までしばらく空き時間ができた。一人で来ていたのでどうしようかな…と思いながら、せっかく丸山さんを好きな人が集まっているこの場で人見知っている場合ではない…!と思い、ありったけの勇気を振り絞って声をかけると、優しく応じてくださって、時間までお茶をすることに。

日本橋という、銀座とも違う品とビジネスの空気が漂う未知の土地で、心細かった気持ちを共感しあえるお友達ができて、時間までおしゃべりをできて楽しかった。

 

長いと思われた空き時間も、ドキドキしている間に時間は過ぎ、開場時間に。

劇場に入ると、映画の主題歌「応答セヨ」が流れていた。良いスピーカーで聴く「応答セヨ」にまず感動した。

記者の方々の席があったりテレビカメラがスタンバイしたりしていて、関係者らしき人を見るたび、おおお…とつい目で追ってしまう。開演までの時間、ADさんやスタッフさんの動きを見られたのが興味深かった。

 

しばらくして、司会の荘口彰久さんと一緒にタマが登場。

タマは映画の中で出てくるキャラクターで、猫の可愛らしさとぶちゃさが絶妙なバランス。タマだー大きいなーと思いつつ、私は荘口彰久さんをついに生で見られたことが嬉しくて。あの、試写会司会と言えば軽部さんに並んで思いつく荘口さんだ…!ましゃとラジオで話している荘口さんだ…!と思って、まずそこで本物…!という感動を味わった。

可愛いお手手で手を振るタマ。立ち位置からさらに前のめりな位置で立ち止まるタマ。今考えると、顔の出っ張りの車幅感覚を掴みきれていない可愛さ。スタッフさんからパネルを受け取り、得意げにザンッと見せるもタイミングが早かった。気を取り直して掲げられたパネルには、“まずは特別映像をご覧ください”の文字。

役割を果たしてタマと荘口さんはひとまずはけて行くのだけれど、段差があるのでタマの動向が危うい。スタッフさんの手助けもありながらなんとか降りて、映像がスタート。

 

大きなスクリーンの真ん中に映る、“泥棒役者×応答セヨ”の文字に、一気に胸が高鳴った。

泥棒役者の映像と一緒にザンっと関ジャニ∞のバンド演奏シーンが映った瞬間、声にならない歓声が上がった。映画のシーンと掛け合うように繋がれたその映像は素晴らしくて、映画と主題歌がバラバラなものではなく、同じ世界観を持っているということを表すのにこれ以上ない映像だった。

主人公の大貫はじめが振り回されながら駆け回る姿と、“つまずいてばかりの僕を 君だけは笑わなかった”という歌い出しで始まる「応答セヨ」の歌詞がしっかりとリンクしていた。

“応答セヨ 流星”と呼びかける声が、その言葉自体は映画と関わっていないのに一番強く繋がっている気がして、まだ本編を見る前だったけれど「泥棒役者」の大貫はじめくんへ向けた言葉として胸に刺さった。

 

映像が終わり、再び登場した荘口さんとタマ。

またもパネルを受け取り、持ってきてくれたスタッフさんへキレのいいグーサインを出して労いも忘れないタマ。“出演者の方々が登場するよ(拍手)”とあって、拍手のジェスチャーをしながらもっともっと!と盛り上げる。

西田監督、高畑充希さん、市村正親さん、ユースケ・サンタマリアさん、石橋杏奈さんが登場。すごいそうそうたる面々を直に見られたことと、とても好きな高畑充希さんを見られたことへの喜び。

「丸ちゃんは?」という話になり、「4人芝居です」とまた適当なことを言うユースケ・サンタマリアさん。「あっちからどかーんと出てくるんじゃないの?」という言葉に市村正親さんも乗っかって下から飛び出るジェスチャーを。ジャンプアップでイメージする市村正親さんが可愛かった。

「皆さんで呼んで見ましょうか」という提案で、劇場全体でせーので「丸ちゃーん!」と呼ぶと、「はーい!」と丸ちゃんの声。タマの頭をパカっと外し、なかから丸ちゃんが登場。タマの中から丸ちゃん。

プロだと感動したのが、名前を呼ばれてはーい!と答えるところではその素振りを見せずに、間を置いてパカっと外したところ。どこから声がしているのか一瞬本当に分からなかった。

相当暑いようで、汗が滴る丸ちゃん。タマの着ぐるみが肩のところに沿ってにゅーんとなっていて、肩が引っ張られている感じになっていた。重みが全部肩にかかっていそうだった。タマの手の部分がとてもかわいくて、触りたくなる曲線。トークに入ってもそのまま、半分丸ちゃん半分タマ状態で進んでいったため、手を動かすたび、その手がタマで。あのおぼつかない感じがかわいい…!!と堪らなかった。

 

お話ししていたなかで、高畑充希さんとのエピソードが印象的だった。

撮影は2日間だったけど、3日間だと勝手に思ってましたと話した丸山さんの感性が素敵で、長い時間を一緒に過ごしたように感じられたということを言葉にして伝えるところがいいなと思った。そして、高畑充希さんが他の映画を撮影している時に、「泥棒役者」の現場にも顔を出してくれたという話をした時も、「笑顔の差し入れをしてくれて」とさらっと話していて、頭の中に浮かぶ言葉のセンスがジェントルマンなのだなと感じられた。

 

 

20分ほどトークをして、フォトセッションに入り、真ん中の通路に出演者が来ますよーというお知らせにざわつく場内。私が座っていた席は左側だったので、階段を上がってくるところが近く、西田監督だ…皆さん本物だ…とひたすら見つめた。丸山さんにいたっては、そこにいるのにそこにいる感じがしなくて、でも丸山さんだ…と思った。

カメラマンさんたちの声かけの仕方が静かな戦いという感じがして、これがプロの仕事…と思いながら見ていた。撮っている最中も、西田監督などが「バイバーイ」とか「明けましておめでとうございまーす」と言いながら手を振っていて、まだ明けてないですよーとツッコまれながら、和やかな空気だった。

 

写真の次は、映像撮りまーすと案内があり、よく見るやつだ!と思いながら、事前に聞いていた通り、丸山さんの「せーのっ」の合図で映画の台詞「まだ終わってないにゃー!」をみんなでコール。右手はビシッと指差しポーズで、左手には入場時に配られたタマのパネル。試写会っぽいな…!と嬉しかった。

 

撮影が終わり、階段を降りていく丸山さん。半分というか、ほぼタマなので、マスコット感がすごい。ぽてぽて歩く姿がかわいかった。

出演者の方々がはけていって、最後まで手を振る丸山さんを見送った。

 

 

そのまま本編の上映へと入り、

映画「泥棒役者」が始まった。

 

映画が終わり、暗かった劇場の照明がついた時。本当は拍手をしたかった。そうしたくなる映画だった。

逃げるに逃げられなくなった元・泥棒、大貫はじめの状況は、客観的に見てしまえばとても滑稽で、家の中で扉ひとつを隔てた喜劇なのだけど、

その“扉ひとつ”向こうへと出るだけなのに出られない状況も、放って置いてくれたらいいのに放って置いてはくれない人との関わりも、ずっと言わなくちゃと思っているのに打ち明けられない葛藤も、喜劇のなかにどこか思い当たる日々が隠れていて、他人事ではない何かを問いかけられている気がした。

 

映画「泥棒役者」公開まであと15日。

11月18日に、また映画館へ観に行こうと決めた。