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曲の構成で想うエンターテイメント《後編》

関ジャニ∞

 

アコースティックコーナーがあったことも、自分にとっては目から鱗だった。

バラード曲はセットリストに入らないことも多い関ジャニ∞のライブは、傾向として勢いが止まる可能性があるバラードやスローテンポはあえて外しているのかなと思っていた。だからここで、お客さんに座ってもらって、しっとりとした雰囲気で聴いてもらう時間を作ったというのは思い切った挑戦だったのではと思った。

しかも、披露する曲が公演ごとに変化する。そのバリエーションは5曲。この日はこの曲を弾こうと入れ替えられるほど、板についている曲があるということが格好よかった。あえて音数少なくシンプルで、落ち着いたアレンジ。大倉忠義さんはいつものドラムスティックからブラシへ持ち替え。渋かった。

どの曲も聴きたかったけど、聴けた中で「CANDY MY LOVE」と「ツブサニコイ」は特に耳に残った。その二曲のなかでも、「ツブサニコイ」はいつものバンドで情熱的に勢いをつけて演奏しているのもいいけれど、ゆったりとスカのテンポで歌うのがすごくしっくりきた。

歌詞の優しさとマッチしていて、そこに渋谷すばるさんのスイッチが入って、甘ーーく「好きだよって…」なんてカメラ目線で歌うものだから、そりゃあドーム揺れるわ。しかも自分でやっておきながら、我慢できなくて照れてしまって、うつむき気味にふっと、本当に微かにふっと笑うから、ドーム全体更に激震。あれはだめ。あれはやっちゃダメだ。男の本気の照れは可愛すぎる。

すこしピントがボケ気味な画でそんなことになっているから、情緒ありすぎて、ときめきで破裂するかと思った。

 

「ハダカ」は知れば知るほど、シンプルな良さと意義深い良さが同居する曲だと思う。CDで聴くのとは違う意味を、ステージに立ってこの曲を披露する2人を見て、感じた。横山裕さんが作詞、渋谷すばるさんが作曲で2人のコンビ曲となった「ハダカ」の演出は、中央ステージがせり上がって背中合わせに立つ2人が見えてくる。2人揃ってカメラ目線を決めた後、すこし距離の離れた2つのボックス型のステージ上に立つ。

インパクトが凄いのは、タイトルの通り衣装がほぼハダカなこと。新聞で作られたズボンに、それぞれ上半身裸。鍛えられているのが分かる証拠に、数メートル離れていても、暗がりでも分かるほど腹筋がバッキバキ。割れてる。板チョコ。

見た目のインパクトもあるからそちらにも目がいくけど、「ハダカ」は、実際に人前に立つアイドルとして生きている2人がこうして歌っていることに意味が込められていると、見ていて感じずにはいられなかった。


身に纏うものほとんどなく、視覚的にハダカでいること。そしてステージに立つという意味でハダカでいるということ。その重みと、覚悟と。

沢山の人の目に触れるから、沢山の人を元気づけることができる。でもそれと同時に、洗いざらい剥がされハダカにされることもあるリスクに晒されながら、それでも見える所に立ってくれている。それがどれだけの葛藤のなかでの輝きなのかと思うと、語るには難しすぎる思いになった。

もちろんそれでも選んでくれているのは彼らで、やりがいがあるからそこに居てくれているのだとは思うけど、ステージに立ち続けることが簡単ではないことも、彼らが人として生きていることも、忘れたくないと思った。

 

 

曲が終わり暗転して、次は何が起こるのだろうとドキドキしながら着席すると、流れてきた映像。

シングルの特典映像として入っていたセッションと同じベース音が聞こえてきて、まさか?と思っていると頭で考える暇なく画面いっぱいに「ARE YOU READY?」の文字。この瞬間の、何が始まるかなんて分かっていないけどとりあえずイェーイ!!と叫べる高揚感が最高に楽しかった。みんな何か分かっていないのに、関ジャニ∞のすることなら何がきても返す、みたいな一体感が凄かった。

「Tokyoholic」東京公演ではタイトルさえなく、「2015.10.25」と表示されたこの曲。歌詞がついているこの曲をはじめて聴いて、大きく縦横無尽に映し出される歌詞を目で見て、ハンマーで殴られたような衝撃を受けた。

東京で聞くにはあまりにも挑発的で、挑戦的だったから。なんかもう、ここ東京だよね?ドームにいるお客さんも関東の人多いよね?え大丈夫?と見てるこっちがハラハラするぐらい、東京をディスりまくる歌詞。

でも。曲を最後まで聞くと、そんな強気に出てみながら “ I don't like you …” と言い続けて、はじめは東京が嫌いだと言っておきながら、最後にくるのは “ I can't hate you Tokyo! ” の英文。やっぱり嫌いになりきれない東京。まだやりたいことがあるからここに居ることを選ぶ東京。虚勢を張ることさえカッコ良く見せる関ジャニ∞ってなんなんだ。

曲と歌詞については、「なぐりガキBEAT」で音源化されてから書くことにする。

 

 

今回セットリストは、ラスト二曲がバンド。

「象」と「NOROSHI」だった。

オープニングで一曲目に歌った曲を、バンドとして再度歌うその意図も、考えずにはいられなかった。

特効の炎も霞むぐらいの熱量で、演奏して歌う関ジャニ∞の背中を目に焼き付けようとずっと見ていた。大サビへと強くなる語気で、渋谷すばるさんが “足跡のない道を ゆけ” という歌詞をシャウトする。その声と表情が、耳と目に焼き付いて離れない。

個人的にも嬉しくて仕方なかったこの二曲。しかも続けてラストに歌うとは想像もしていなくて、そんなことがあるのかと雷に打たれたみたいだった。2つ前のツアーで披露した「象」を、このスパンで歌ってくれるとは思わなかったから。

いつか聴きたい。そう思っていた生で歌う関ジャニ∞の「象」を目の前で聴けていることが信じられなかった。それと同時に、高橋優さんのライブチケットを取っていてよかった!と心底思った。どちらも聴く機会があるなんて、贅沢すぎる。

高橋優さんも、今ツアーの真っ最中で、アルバムにセルフカバーの「象」が収録されている。きっとライブでも歌っているであろうこのタイミングで、時を同じくしてスタートした関ジャニ∞のツアーで、リンクするように「象」を歌う粋さが、大っっ好きだと思った。

 

 

ライブのMCや、大倉さんの締めの挨拶を聞いていて、感じたことがある。

見ている側が想像している以上に、見ている側の思いは本人たちへ生々しく届いている。

沢山の。沢山の、いろんな思いも意見も耳にして受けとめながら、今の関ジャニ∞を守って、つくっている。これからの関ジャニ∞を誰よりもメンバーが大切に思いながら。

“ハダカ”であること。

きっとこんなに大変なことはない。それでも彼らが見える所にいてくれるから、勇気づけられて、明日を踏み進めることができる。

今年の夏にまさかの5大ドームという発表があった関ジャニ∞。しっかりその姿を観に行くため、私も明日をがんばりたい。